以上の5つの基本原則に基づいた医療を提供し、病棟・一般外来・救急外来・在宅医療をバランスよく実践し、いずれの医療現場においても「家庭医」として医療の総合性追求のリーダーシップをとることができる医師を養成することを目標とする。
① Access to care
身体的な疾患にかかわらず、心理・社会的問題を抱えた患者(社会的弱者)に対しても差別することなく対応する。また、24時間365日医療相談に応じられるシステムを構築する。さらに、コミュニケーション技能・医療面接技能を重視し、常に自己を内省して向上し、良好な患者−医師関係を築くよう努力する。
② Continuity of care
診療対象を「リスクを持った人の集団(population at risk)」として考え、予防医学を実践する。患者と出会う全ての機会を予防や健康教育の絶好の機会とする。また、良好な患者−医師関係の継続を追求し、診療に全人的復権としてのリハビリテーションの視点を活かしていく。
③ Comprehensive care
「bio-psycho-social model」に基づき、患者の生物・心理・社会的にどのような問題にも対応する。医療効率の良い「clinical reasoning(臨床的推論)」や「evidence-based medicine(EBM)」「narrative-based medicine(NBM)」を実践に活かし、症候診断を重視してcommon problemsに対する医療を展開する。
④ Coordination of care
地域包括ケア(community-based care)を実践するのに必要な他職種によって形成されるチームで有機的にケアをすすめる。また病院・診療所の経営にも関わり、集団をマネジメント(管理)する能力の育成を重視する。さらに、安心して住み続けられる街作りを目指して、地域診断などのリサーチ活動を行い、国や自治体によりよい医療政策の提言も行っていく。
⑤ Contextual care
「患者中心の医療(Patient-centered medicine)」「家族指向のケア(family-oriented care)」を実践し、患者の背景を地域・家族を含め全人的に理解する。生活者としての患者の存在や病気の社会性に目をむけ、患者を生活と労働の場でとらえ、人間が社会的存在であることもふまえた全人的な医療を心掛ける。とりわけ患者背景の追求が求められる在宅医療の実践を重視する。
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