医学生ブログBlog

船橋二和病院 奨学金制度 初期研修

本日の研修医「心に残った患者さん発表会」 疾患だけでなく、食事や栄養状態を考えることの重要性 の巻

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

症例では疾患ばかりに気を取られて、患者さんの食事や栄養にういて最初の場面で考えられませんでした。

本日の研修医

「心に残った患者さん発表会」

疾患だけでなく、食事や栄養状態を考えることの重要性

 

千葉民医連の初期研修では、患者さんを疾患のみで捉えるのではなく、「患者さんや家族に研修医としてどのように向き合ったのか」を重視した報告会を行っています。

 

4月になり、昨年研修をスタートした医師たちも2年目を迎えそれぞれ、別な科や千葉民医連の診療所などで研修をスタートさせています。

症例では疾患ばかりに気を取られて、患者さんの食事や栄養にういて最初の場面で考えられませんでした。

今日は外科研修を終えた鈴木先生の発表をお伝えします。

発熱と体動困難で来院されたNさん。お歳は90歳を超える方です。

 

Nさんは、以前、胃ろうを作っていて、既往歴は糖尿病、高血圧、歩行には車イスが必要でした。入院時の状態は意識レベルが少し低く、軽度の貧血。血液検査でも、白血球の減少や低栄養の状態がみられ、インフルエンザBが陽性でした。

 

血液検査の他に行った検査は、胸部レントゲン、心電図、頭部CTなど。検査結果から鈴木医師は、インフルエンザ、細菌性肺炎などが疑われました。「今になって考えてみると、この時点で 疾患のみをあげてしまったのが良くなかったのか、と思います。」と鈴木先生。

疾患に対しては抗生剤の投与やインスリンの調整などで対応できましたが・・・

けれど、Nさんは意識レベルが徐々に低下、入院前の生活では可能であった経口摂取がなかなか困難な状態に。現在は無事、退院されていますが

 「今回の症例では疾患ばかりに気を取られて、患者さんの食事や栄養を最初の場面で考えられなかった」ということが反省点の一つとして延べられました。

指導医の医師からは
「今までの疾病モデルは元気な若い人が病気になって、病院にかかり元気になって帰るのが疾病モデルであり、例えば肺炎が治れば、はい退院のような感じでした。」「現在は、今後は高齢者が増えて従来の疾病モデルが、適応できなくなる。最終的には帰るために食事などを含め社会的な部分がひっかかってきてしまう。そういうことを含め見られる医師を増やさないと高齢化社会に対応できない。」と解説。

鈴木先生はまさに、患者さんが抱える医療以外の問題を考えるきっかけを症例から学び取った、ということですね!

 

ブログ一覧へ戻る

おすすめブログ