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船橋二和病院 医学生

医学生と「LGBTQS」セクシャルマイノリティーについて学習しました。

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9月16日(日)秋の奨学生会議を開催しました。テーマは「LGBTQS」について

ある医学部生から「LGBT」、セクシャルマイノリティーについて学んでみたい、という意見が出されました。きっかけは、高校時代にトランスジェンダーと思われる同級生がいて、別性の制服着用が認めれる様な配慮があったり、明らかないじめなどは無いように思えたが結局、高校を中退してしまった…という経験から。

 

 

9月16日(日)秋の奨学生会議を開催しました。テーマは「LGBTQS」について

「本人同士の恋愛関係で良いのではと思うのに何故、デモンストレーションなどがテレビで取り上られ、改善に向けて運動する団体があるのか?」という疑問があり「自分も無意識的に差別に加担しているのでは無いか」「医療者や私たちが出来ることは何か」知りたい!ということで、学習をスタートしました。

 

 最初は、私たちも「医療と結びつけて考えられるか」「学生の関心は」など奨学生会議のテーマとしては半信半疑でしたが一緒に学習していくうちに、悩んでいる人の多さを実感し医療も含めた社会的な問題だと思い、今回みんなで考える事になりました。

 当日は医学生が7名参加。吉田先生の公開講演会には16名の職員が参加し医師・他職種・医学生が一緒に事例についてディスカッションを行うことも出来ました。

公開講演会は、 セクシャルマイノリティーそもそもの解説からスタートし、理解するにはどうしたら良いか、同性愛者は社会でどう扱われてきたか、日本における社会的認知などをとてもわかり易くお話いただきました。

 人口に占める割合の大きさや、ゲイ・バイセクシュアル男性の65%の人が「死にたい」と思い、15%の人が自殺未遂を経験しているという事実に驚くと同時に、健康被害や医療機関の杜撰な対応を知り、当事者のみの問題では無く、社会問題であり、SDH(健康の社会的決定要因)の一つであることを参加者みんなで考えることが出来ました。先生の話された「大切なのはカテゴリーに分けることでは無く、他のことと同じように、セクシャリティーも人それぞれ異なる事を知り、お互いを理解すること。」という言葉が心に残りました。

また、参加者全員で輪になっての質問コーナーや具体的な事例をもとにした少人数ディスカッションで、参加者それぞれの考え方を知ることが出来、「医療従事者、医師になる医学生にできること」についても深めることが出来ました。

 その後は、「生きづらさの原因」「私たちにできること」など、医学生がディスカッション。講演を聞く前は「個人の問題」と考えていた学生も、マスコミも含め社会全体の認識が原因であること、婚姻制度や性的適合手術と性別など制度矛盾、医療機関の扱いや医療従事者の理解の無さが当事者を苦しめている事、などの意見が出されました。

医学生からは「自分の周りには居ないと思っていたことが間違いで、もしかしたら自分の何気ない言葉が苦しめる原因になっていたかもしれないと思う。」という自省の言葉や、「誠実に向き合うことが大切だと思いました。また当事者や家族に全てを任せるのでは無く、一緒に考えられる医療者を目指したい」「まずは一人の人間を尊重し、尊厳を守る事。肯定すること、話を聞くこと。対等な関係を大切にして一緒に考えていきます。」など力づよい言葉が並びました。

 参加した職員の「医療者が感じる、面倒で困ったと思う患者さんこそ、本人が困っているという言葉を広げていきたい」「医療者は自分の立場を生かして、社会に発信することが出来るのではないかと思った。」という感想や

「ものすごく感動しました。何度も涙が出そうになりました。マイノリティーだって、同じ人間で自分らしく生きていくことが当然の権利であること」「そのことを支えるのが医療者であり、千葉民医連としてもメッセージを出すなど行動を起こした方が良いと思う。」

と言う言葉が、参加者全員の気持ちを代弁していたと思いました。

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