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新歓講演会「生きづらさを抱える人々とともに」 開催しました

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6月7日(土)に、幕張にある千葉民医連の研修室で新歓講演会を開催しました。

講師には、池袋の炊き出しで医療相談の責任者をしている、つくろい東京ファンドほしぞら医療班の武石晶子さんをお迎えしました。

医学生3名、看護学生4名、高校生5名が参加し、ハウジングファースト型支援や池袋の炊き出し相談会の活動などについて講演。ディスカッションで感想交流も行い、講演会終了後の自由交流も話が尽きないくらい盛り上がり、あっという間に時間が過ぎていきました。

住まいは人権

講演のはじめに、日本の路上生活者は2591人(厚生労働省2025年1月)いて、男性はおよそ9割を占めているというデータが提示されました。ただこの数字は、路上生活はしていないけど居住地がない人(ネットカフェ難民など)はカウントされておらず、潜在的にはこのおよそ3倍いるのではないかとのこと。人口比から見て、どうしても少数と思われてしまうらしく、いまだ政策になりづらかったり、世間にも注目されづらかったりする現状があるそうです。

そこで「住まいは人権」という理念が土台にあるハウジングファースト型支援モデルについて紹介されました。住まいが保障されないと医療や社会とのつながりが途絶えてしまうこと、安心できる住まいがあるから、自己決定や希望が生まれてくるということなど、事例を基に説明。憲法22条でも居住の自由が明記されており、保障されるべき権利だと実感しました。
医療者を目指す参加者にとって、病気ではなく生活や住まいに目を向ける大切さを学ぶ機会になりました。

また、武石さんの支援者としての考えを受け、参加者からは「どうしても自分が支援しやすい手段や支援しやすそうな人を優先してしまいがちだが、それは本当の意味での平等な医療には繋がらないし、患者が満足する医療を届けることは困難になる。様々な境遇の患者を学び、支援の調整、選択肢を広げておくことで、柔軟な対応ができるようになる」という気付きが生まれていました。

学年ばらばらに、感想交流

ディスカッションには、武石さんにも各グループに入ってもらいました。そこで、「医療につながった人とつながり続ける支援を勉強してきたが、そもそもつながることの難しさを実感した」という感想や、「行政や外部に働きかける必要があると思うが、どうやっているのか」という質問が出され、武石さんを交え活発なディスカッションになりました。

武石さんからは、「仮放免の方にもボランティアに関わってもらうなど、ある意味日本での貢献などを分かるようにし、それを行政に伝える・見せるといった取り組みもしている。そうやって仮放免の方にも行政の方にも、お互いに歩み寄ってもらい理解してもらう橋渡しをしている」とありました。

ディスカッションを通して学生からは、「医療者として目の前の患者さんだけでなく、社会をよくするという両面を意識したい」とあり、新しい意識が芽生えたようです。「話す人それぞれの意見が少しずつ異なっていて刺激になりました!」と後日教えてくれた子もいました。
学年ばらばらに、感想交流

みんな気ままに自由交流

お菓子を囲みながら、自由交流をしました。

職員が声をかけずとも、学生や生徒は思い思いに交流をしていました。高校生が先輩学生に受験相談をしたり、学生同士で大学のことやそれぞれの興味関心事など話したりと、みんな楽しそうにしていました。
参加してくれた高校生に当日の写真を送った際、「医療系の大学に通われている方、目指す方々と交流できたのが新鮮で楽しかったです」とメールをくれました。嬉しいですね。
学部や学年を超えて交流できるのも、こういった講演会ならではですね。同じことを学んだあとは、不思議と仲間意識が芽生えるのでしょうか。いつも学生や生徒のエネルギーに驚かされます。
みんな気ままに自由交流

まとめ

今回のような講演会は、新歓期以外にも開催しています。
講演内容は学生の興味関心から決めており、今回も炊き出しボランティアに興味があるという声から出発しました。
また、講演だけでなく学生同士で交流することで、視野が広がることも魅力です。
次回はみなさんの参加をお待ちしています!

そして、学校以外で何か活動してみたい、社会を見る機会が欲しい、足を運んで自分の目で確かめたいという人は一緒に池袋に行きましょう!

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