こころに残った患者さん発表会(外科・小児科)
こころに残った患者さん発表会って?
船橋二和病院では、現在8名の初期研修医が働いています(1年目4名、2年目4名)。
研修では様々な科をローテートし、その都度まとめ報告として「こころに残った患者さん発表会」を行います。
その時の指導医の先生だけでなく、他科の先生やほかの研修医、多職種も集まり、フィードバックを受けます。
今回は初期研修2年目医師が外科、小児科を終えたので、その2人の発表の様子をご紹介します。
(症例は個人情報に留意し、個人が特定できないようにしています)
一人ひとりと丁寧に
外科のローテートを終えた研修医からは、出血を認め、動けなくなっていたところをご家族に救急要請された80代のAさんとの経験。
自身の寝室は上階にあり、家の中は物であふれかえった生活をしており、介護サービスなどは利用していないとのこと。
担当になってすぐは、あいさつしても返答がなく、数日話しかけに行ってもあまり話してくれなかったそう。
出血原因精査のために内視鏡検査をお願いするも拒否が強く、その理由も話してくれません。
うまく担当できるか不安な始まりだったといいます。
それでも毎日会いに行くにつれ、笑顔も見え、家のことも話してくれるように。
少しずつAさんの意思も分かり、退院に向けて介護サービスの調整や家の中の整理に向けて動き出しました。
そこで医療ソーシャルワーカーや同居家族とも相談し、家屋調査をすることが決まったところで外科ローテーションが終了。
限られた研修期間で患者さんを早く退院させるのではなく、患者さんの退院後の生活までしっかり考え、多職種と足並み揃えて丁寧に関わり続けました。初期研修では、一人ひとりとまずは丁寧に関わることを大切に症例を積み重ねています。
親御さんの強い不安と信頼の揺れを経験
小児科のローテートを終えた研修医からは、ある患児の親御さんとの経験を挙げられました。
入院中のお子さんの発熱や点滴の様子を見て、親御さんに強い不安が見られたそうです。他の職員に涙ながらに訴えることも。
大切なお子さんのそのような姿を見て、病院に対する不信感につながるも、親御さんの話を傾聴し、気持ちに寄り添う姿勢で対応し続けました。
「自分がおかしいのかな」「近くに頼れる人はいない」という発言から、指導医や医療ソーシャルワーカーと相談して、地区の保健師と情報共有し、安心して相談できる環境を整えていきました。
今回の経験から、親御さんの不安は医学的説明だけでは軽減しないことを学んだといいます。
「病児の治療に集中すると、親御さんの心の状態が見落とされがちになる。精神学的な介入でなくても、『頼っていい場所がある』と伝えるだけでも安心につながると感じました」と発表を締めくくりました。
指導医からも、不安な気持ちを丁寧に受け止め続けたことに対して、「これからも自信を持ってがんばってほしい」と背中を押されていました。
病院見学のご案内
発表してくれた研修医の先生方は、医学生の病院見学や高校生の医師体験も対応してくれています。
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