先日、船橋二和病院初期研修1年目の大賀先生が、4ヶ月の内科での導入期研修を終えての「心に残った患者さん」症例発表を行いました。
研修を開始してからの4ヶ月を経て大賀先生が今回取り上げたのは、細菌性肺炎とうっ血性心不全の診断で入院となった患者さんです。
先日、船橋二和病院初期研修1年目の大賀先生が、4ヶ月の内科での導入期研修を終えての「心に残った患者さん」症例発表を行いました。
研修を開始してからの4ヶ月を経て大賀先生が今回取り上げたのは、細菌性肺炎とうっ血性心不全の診断で入院となった患者さんです。
元々当院でS状結腸がんのフォローをされている患者さんでしたが、2~3日前より徐々に息苦しさが出現し入院に至りました。入院後には呼吸状態悪化の原因を探って検査を行い、リウマチ性間質性肺炎と判断。その後治療を行いながら、本人が食べたいというカレーが食べられるようにしてあげたい、自宅に帰る為に1人でトイレに行けるようにしたいと、奮闘しました。
しかし入院から1ヶ月が過ぎた頃、患者さんの呼吸状態が悪化。娘さんに病状をお話しする中で「家に帰れず亡くなることも覚悟しました。ただ2人で生きてきたので最期は会いたい」という娘さんの想いも聞かれました。そして大賀先生が当直勤務している最中、明け方に亡くなられました。娘さんが病院に到着される前のことでした。
大賀先生は、今回心に残ったポイントとして、①入院期間が長く、ご自身がどういう状態でも研修医の自分のことを気にかけてくれていた ②患者さんとの距離が近すぎて、急変の度に自分が苦しくなった ③何度も呼吸状態が悪化する中で、疾患が特定できず難しかった ④呼吸器を外した翌日未明に亡くなり、娘さんの唯一の希望を叶えてあげられなかったことを挙げていました。
大賀先生は今回の症例報告中にも感極まる一面があり、大賀先生にとってとても印象的な患者さんであったことがこちらにも伝わってきました。
そして大賀先生は今回学んだこととして、①患者さんやご家族に寄り添うことは大切だけれど、近すぎてはいけない ②辛いことを説明するときに、言いづらくとも最悪の事態を伝えておくことが必要 ③病態的に学ぶことが多かった ④自分が何かをするときには責任が伴う ⑤1つ1つの行動を慎重に、決断の前には1度立ち止まること、とまとめてくれました。
医師となって最初の研修を行う中で、大賀先生が一人の患者さんとご家族に誠実に向き合い、苦悩しながらも大切なことを学び、経験し成長されたのだろうということが伝わってくる素敵な報告でした。
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