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船橋二和病院 奨学金制度 初期研修

本日の研修医「初期研修医が出身大学に凱旋」医学生と交流しました、の巻

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改めて、研修を振り返る機会に

初期研修医1年目の堀坂先生が出身大学である秋田大の医学生、奨学生に自身の研修についてお話し、交流をしました。

 

以前にも紹介しました、導入期の内科研修中に担当した「こころに残った患者さんの話」です。

改めて、研修を振り返る機会に

意識障害で救急外来に搬送された80代の男性。呼吸不全があり心肺停止となり、前医の情報提供から、本人は以前延命を希望していませんでしたが、ご家族の「できる限りのことをして欲しい」思いから延命処置をし、入院となりました。

 

入院後も状態が不安定で急変もあり、気管挿管を行いましたが、ご自身で自己抜管。その後の経過で再挿管が必要な状況となり、ご家族には「再度挿管すると、今後は抜くことが出来なくなる可能性が高い」旨をお伝えして再挿管となりました。

ご家族と本人の思いのすれ違いがあり、ご本人の意図に反した状況になりましたが、本人もご家族も苦しみながら状況を受け入れていきました。

その間医師始め多職種でのカンファが何度も開かれ、できる限り本人や家族の意向に沿おうと、呼吸器を使っていてもできる事が提案され、好物の穴子を食べてもらったり、テレビを見る時間をつくれたりと、様々なサポートが具体化されました。

私自身が、cureだけで無くcareの意識を持つことの必要性を痛感し、また呼吸器と共に生きていくという覚悟が私自身にも足りず援助的介入が不十分となってしまいました。研修を始めて、命を預かることの責任の大きさを実感していますが、看護師など他職種と垣根無く話せ、アドバイスをもらえる研修環境の大切さを感じています。

 

今回、改めて症例を振り返る機会となり、また医学生から質問を受けることで新たに気付くこともたくさんありました。「一度、患者さんと意思疎通ができる様になった時に、気管切開しないという選択肢は無かったのですか?」との問いに、その通りと思うとともに、家族に納得してもらうプロセスとして判断は正しかったとも思いました。

参加した医学生からも、たくさんの意見や質問が出され、現在の授業や雪国での生活など遅くまで盛り上がりました。約1年後の初期研修を目前に控えた医学生からは、「自分が医師になって、このような対応ができるのかプレッシャーは大きいが自分も早く医師となって働きたいとおもった。」など心強い感想がよせられました。

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