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船橋二和病院 千葉健生病院 初期研修

本日の研修医 ~初期研修2年間お疲れ様でした。初期研修まとめ報告会~「SDH(注)の問題は、身体疾患と同様に人々の健康を守るために対応すべき重要な問題」の巻

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研修で身につけた力を何処でどんな患者さんに生かすのか・・・

千葉民医連 船橋二和病院での初期研修2年間を終了する4名の初期研修が、それぞれの研修を振り返る「初期研修まとめ報告会」が先月末に開催されました。

 会場は、医師・看護師をはじめ2年間かかわったコメディカルや共同組織、友の会の会員さんまで大勢の参加者であふれていました。

研修で身につけた力を何処でどんな患者さんに生かすのか・・・

ローテーションした科毎に研修を振り返る研修医、最も心に残った患者さんから、研修全体を振り返る研修医など、それぞれの個性が現れた報告会となりましたが、4名とも医師(研修医)になったばかりの内科研修と、救急外来、千葉健生病院での内科・地域医療研修が印象に残っていると異口同音に話していました。

初めての内科研修については

「最も葛藤した時期」「患者さんの貧困問題やご家族との関係づくりに頭を悩ませた」「様々なスタッフに助けられながら、同期と刺激し合いあっという間の4ヶ月でした」との感想がありました。

救急外来研修については

「二和病院が地域の病院として必要とされていることを感じた」「研修医ながら期待に応えたいと外来に出ていました」「救急対応に自身がつく研修でした」などなど

千葉健生病院では

「SDHの問題は、身体疾患と同様に人々の健康を守るために対応すべき重要な問題」

「治療以外でも様々な困難をかかえる患者さんも多く、患者、家族や多職種と連携して困難に一つずつ向き合うことが大事だと知った」「大事なポイントは症例だけを見ないことだと思った。」など、各研修医がもっとも時間をかけて報告していたのが千葉健生病院の研修でした。

2年間を通じて、「人を救える医療を実践したいと思っていて、その人に適切な医療を多職種連携で実践していきたい」「同期の存在が大きく、悩みを相談しながら、切磋琢磨することができました。」「ガイドラインに患者さんを当てはめるだけでは無く、患者さんの人生や生活まで配慮することが大切と感じた」「答えが簡単に出ない、答えが無い課題にぶつかる事の連続でした。」

それぞれ、2年間大変だったことや一緒にがんばってきた同期4名への気持ち、温かく育てたくれた指導医や上級医を含む感謝の気持ちが述べられ、参加者からは大きな拍手が。

 

最後に今後について「これからも努力を惜しまず、力をつけて、その力を何処でどんな患者さんに生かすのか、考えながら研修を続けたいと思います」という言葉が印象に残りました。

 

注)SDH(健康の社会的決定要因:social determinants of health)

「健康」は、遺伝子や生活習慣など生物学的要因だけで決まるわけでは無く、「健康」に大きく影響を与える社会的な要因を示す(所得や学歴,仕事,居住地,性別,国籍/人種など)。

個人には変えがたい社会的要因が健康格差の一因であり、健康格差が生じる健康格差対策に取り組むことが WHO 総会(2009)で決議され,世界中で多くの職能団体や学会が健康格差に関する立場表明を行うようになってきた.

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