初期研修医2年目の長田先生による「こころに残った症例報告」が千葉健生病院で行われました。
3か月間を振り返り、取り挙げた症例です。
初期研修医2年目の長田先生による「こころに残った症例報告」が千葉健生病院で行われました。
3か月間を振り返り、取り挙げた症例です。
施設に入所中で往診管理の高齢男性。経口摂取困難な状態となり、嚥下リハビリ目的にて入院しました。
入院直後の診察では嚥下機能回復の可能性があると判断で、CVカテーテルを挿入し栄養・体力をつけながらリハビリを開始しましたが、なかなか回復の兆しが見えない状況にありました。
「CVを抜去し施設に戻って看取りたい」「本人もそれを望んでいるはずだ」というご家族の強い意向に対し、病状としてはCVを留置したまま療養型病院への転院が望ましい状態であったため、ご家族への説明と向き合い方に悩んだ症例でした。
苦痛なく過ごすことができている患者の死を早めてしまうことは許されるのか・・・?
Lifeを「生命」と訳すか「人生」と訳すか・・・?
さまざまな側面から考え、真剣に向き合いました。
周りとの協議を重ねた結果、最終的には入所していた施設にCVを抜いたうえで皮下点滴での退院を目指すという方針となり、ご家族も合意しました。
この症例を通し、「自分がこうすべきだと思っている治療が本当に良いのかどうか。意思表示できない患者さんの自己決定権の保障がどんなに難しいか実感しました」と長田先生。
また、先日青年医師の会で医療倫理の講習会を受けたときに講師の先生が言った
『自分が同じ立場に置かれたら、家族の延命について決断できるのか、自分自身の問題として考えることが大切』という言葉を身を持って感じました。高齢者が増え、今後は本人が意思を伝えられないケースも増えると思うので、事前意思の確認が重要になってくると思います、との感想でした。
院長の岡田先生からは、「長田先生が目指している小児科医療では、子どもたちは自分の意思を言えないケースも多く、自分がこうすべきだという治療ができないケースもあるかと思う。本当に、自分の判断が正しかったかと振り返る事ができた今回のケースの様な経験が、今後の医師人生にいかされると思います」との言葉がありました。
長田先生、お疲れ様でした。
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