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船橋二和病院 初期研修

本日の研修医「こころに残った患者さん報告, 外科研修を終えて」の巻

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話せるチャンスがいつまでもそこにあるわけではない

先日、初期研修医2年目上田先生による「心に残った患者さん報告」が船橋二和病院にて

行われました。外科病棟にて3ヶ月間の研修を終えての報告です。

 

話せるチャンスがいつまでもそこにあるわけではない

症例は、下腿浮腫や腹部膨隆といった症状から救急外来を受診し、腹水貯留・サブイレウスの診断で入院となった患者さんです。

 

また1年前に癌の多発肝転移を指摘されているにも関わらず、その後どこの病院にも通院していなかったという経緯がありました。

通院をしなかったのは、特に困った症状が無く、癌になっても治療はしないと決めていたからとのことでした。

入院後の経過は良好。癌末期であっても比較的元気で、食欲もありました。

食事を続けるため大腸ステントを入れサブイレウスを解除。その後も問題なく笑顔で食事ができており、退院の日も近づいていました。しかし、容体が急変し最終的にはご家族に見守られながらお亡くなりになりました。

「患者さんが癌についてどのように考えているかということや、ご自身の最後をどんなふうに描いているかなど、もっと時間をかけて話しながら最期を迎えられると思い込んでいた」と上田先生。

 

「話せるチャンスがいつまでもそこにあるわけではない。だからといって笑顔で帰ることが目標であった患者さんに対し、亡くなるときはどうしたいか根ほり葉ほりきくのは間違っているのではないかという思いもありました。」

「どのタイミングでお話しをするのが最善であったのかの答えは出ないけれど、少なくとも患者さんとの会話のなかで少しでも疑問に思うことがあったのであれば、できるだけ早い段階で向き合うことが大事であると思います」と語る姿が印象的でした。

 

 

 

外科は最後の見通しを包み隠さず伝え、本人や家族がどのような最期を迎えたいかを受け止め、支える役割=人生の最期を見つめる・見守る科であること

また、治療過程で予想していた状態と異なる状態になってしまった時などにどう応用していくか、常に工夫が求められるということを学んだとのことでした。

上田先生、お疲れ様でした。

小児科研修も頑張ってください!

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