毎年、船橋二和病院と健康友の会では地域の方を訪問して、生活の様子や困りごとなどをお聞きする「地域訪問」を行っています。
お元気な方も多いですが、経済的な格差が広がる中で困難を抱えた方や、自宅で暮らすには介護保険などの公的サービスが必要と思われる方もいらっしゃり、医療相談員や介護支援専門員などにつなげることも重要な役割です。
また、看護師・薬剤師・放射線技師・リハビリスタッフや事務など他職種の職員が参加し、地域でのくらしを知ることやそれぞれの専門性を生かして「まちづくり」に貢献することも目標としています。
伺ったお宅は、みなさんご夫婦で生活しており現状ではあまり問題は無いように見えましたが…
旦那さんが1月に脳出血で倒れ、入院中は頑張っていた「話すことのリハビリ練習」を退院後は行わなくなったために、周りから“聞き取りにくい”と思われるようになってしまったそうです。歩行も以前よりは困難になり、手すり歩行が必要になっています。
奥様は、今でもグランドゴルフに参加するなど活動が活発な方でした。対話中も冗談で笑いが絶えない様な、明るいキャラクターの方で “班長が回ってくるから、それまでは惚けないでいないとね!”と、旦那さんのリハビリを促します。
そんな奥様も、心臓にペースメーカーが入っていると聞いて驚きました。ご自宅周辺は坂が多く自宅の入り口から階段、駅からも遠く自家用車がなければ移動手段はバス、自転車、徒歩。今回訪問した他の会員さんは“年々外出しなくなった”と言います。病院にかかるときに、真っ先に気になるのは“距離”ではないだろうか、と思いました。
篠塚医師は「普段の病棟や外来の時に患者さんの生活まで立ち入って話しを聞くのはなかなか難しいので、病気以外の心配も話していただける訪問は大事だと思います。病棟で患者さんを診るときも、今日のような視点を意識したいと思います。アップダウンが地域なので、お元気な今は大丈夫でもこれから先のより高齢になったら大変だろうなと思いました。」との感想でした。