10月5日、船橋二和病院にて高校生が研修医と共に考える症例検討企画「高校生カンファレンスに5名の高校生が参加しました。
昨年に引き続き医師体験などの企画に参加した高校生から聞かれる「医師が頭の中でどのようなことを考えながら医療にあたっているのか知りたい」「自分が医師になった時に、一人で問題を解決できるのか不安…」などの声にお応えしての企画です。
10月5日、船橋二和病院にて高校生が研修医と共に考える症例検討企画「高校生カンファレンスに5名の高校生が参加しました。
昨年に引き続き医師体験などの企画に参加した高校生から聞かれる「医師が頭の中でどのようなことを考えながら医療にあたっているのか知りたい」「自分が医師になった時に、一人で問題を解決できるのか不安…」などの声にお応えしての企画です。
症例は、講師の篠塚医師が実際に関わった70代高齢者の症例です。
夏の炎天下で草むしりをしていたところ、だるさとふらつきで立ち上がれなくなりました。
救急車を呼び上司(親方)と共に外来受診し、点滴・血液検査実施。輸血が必要となる可能性も高く、重い病気が隠れている危険性も考慮し詳しい検査と入院治療が必要ですが、患者さんは頑なに入院を拒否しています。
このケースに対し「何故詳しい検査と入院を嫌がるのか?」という点について意見を出し合い模造紙にまとめました。高校生からは
・実は宗教に入っていて宗教上の理由で輸血ができないのではないか
・働いているのに手持ちのお金がないということは借金があるのでは?
・過去に病院にかかったときに嫌な経験をしたから病院についてマイナスなイメージがあるのではないか
・家族とのやりとりが見られないので家族関係があまり良くないのかもしれない
など、自由に意見が出され盛り上がりました。
「こうしたあらゆる背景が重要な社会的要因となり健康に直結していく」
と篠塚医師
背景が見えてきたところで、「入院を拒む患者に対し、どのようなアプローチをすれば患者が医療へ踏み出せるか」についても話合いました。
篠塚医師は「何に困っているのか、何がハードルとなって治療を受けないのが背景がわかったことで、その問題点に対して働きかけ継続的に病院と関われるようになった。
つながりを切らさないことが大切」と言います。
最後に、「患者がより安全に退院後の生活を送るためにどうしたらよいか、考えてみよう」ということで高校生から
・退院後もなんらかの医療職の方に関わってもらって薬を飲めているか確認してもらう
・栄養士さんに食事のアドバイスを出してもらう
などの医師以外の視点からの協力という面にも目をむけた意見が出ました。
「名前はきいたことがあるけれど実際にどんなことをやっているのかわからない」というMSW(医療相談員)の役割をはじめ、他職種と連携していく重要性も学ぶ機会ともなりました。
参加した高校生からは、
「患者さんに対応するにあたって症状だけで判断するのではなくその裏に隠れた背景や、退院後の生活について考え理解しようと努めることの重要性を実感することができました」
「自分が医師になったら患者さんの状況など考慮して治療を進められる医師になりたいと思います」などの感想が見られ
患者さんの背景を紐解くことの重要性や患者中心の医療とはどういうものかを知ることができた3時間となりました。
カンファレンス終了後には軽食のピザを食べながら医師との交流も。
今回参加できなかったみなさんも是非次の機会に参加して、現場で働く医師の頭の中をのぞいてみてください♪
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