「医学生のつどい」事前学習会。地域医療に求められる医師とは
医学生が社会を考える
去る3月27日、28日に開催された「民医連の医療と研修を考える医学生のつどい」(通称:医学生のつどい)は、「医学生が本気で考える社会づくり」をテーマに、過去最高の274名の医学生を集め大盛況でした。
当日は、千葉大学予防医学センターの近藤克則先生の講演「なぜ医師・医学生が社会を考えるべきなのか」を皮切りに、みさと協立病院精神科医、梁取先生の「社会を考える」(実際の事例を基にした民医連の実践)など、2日間にわたってディスカッションを行いました。
最終的には「医学生が社会づくりを考える意味」や「自分がどんな医療者になりたいのか」など、全国の医学生と問題意識を共有し、自分の「医師像」を深める事ができた2日間だったと思います。
事前学習会を開催
千葉民医連では、「医学生のつどい」に参加するにあたり、まずは
「コロナ禍で顕在化した地域の困難を知り」
「その困難の背景にある、社会構造や医療制度の矛盾に目を向け」
「今、地域で求められる医師とは?」を他の医学生と一緒に考えよう
と、事前学習会(内2回は国際医療福祉大ミーティング)を4回開催しました。
千葉民医連の実践から
いずれも、実際の事例と民医連の医療・介護・福祉事業所の実践から考えることを重視し
「地域包括支援センターのMSW(メディカルソーシャルワーカー)」「診療所のMSW」「訪問看護ステーションの看護師」など、日ごろから地域の方々の生活を支え、その困難に寄り添っている最前線の専門職を講師に迎えました。(一部ご紹介します)
2月17日は二和・八木が谷地域包括支援センターの上野MSWを講師に学習とディスカッションを行いました。
それぞれ大変な困難を抱える事例でしたが、その背景には
「経済基盤の脆弱さがあり、さらに低すぎる国民年金や生活保護費、在宅介護の現場では充分で無い介護保険制度など、社会制度の脆弱さが追い打ちをかけている」との説明がありました。
経済基盤や関係性の脆弱さが背景に
さらに貧困は「地域や社会との関係性の脆弱さに結び付き、孤立・孤独がさらに問題解決を困難にしている」とのお話がありました。
そして「この方々の困難は自己責任でしょうか?」「それぞれ、事業や仕事を頑張ってこられた方です」
「今この世の中で、気軽に助けを求めることが出来るでしょうか」「その原因は何でしょうか?」
と医学生に対して問いかけました。
また、「患者さんの身体・生活背景・家族背景・価値観をすべて見て受け止めてくれる医師になってください」とエールとメッセージが送られました。
背景や困難に対して多職種と連携できる医師に
医学生同士のディスカッションでは
「病気だけではなくて生活背景がわかる医師になりたい。人を診ることが大事。」「自分の専門科でなくても、専門職の意見を聞いて対応できるようになりたい。」「地域に根差した環境をみて、暮らしている人にサポートできる医療者を目指します。」「医師という関係を超えた、背景まで診られる医師が求められていると思う。」「患者さんの背景や困難に対して多職種と連携できる医師が求められると思う。」
など、地域で求められる医師・自分が将来目指したい医師像など、活発に意見が出されました。
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