先日、千葉健生病院での3か月間にわたる内科研修を行った、初期研修2年目の小黒医師による「心に残った患者さん報告会」が開催されました。
小黒医師が今回心に残ったと取り上げられたのは、食思不振と体動困難の主訴で当院救急外来を受診し入院となった患者さんでした。この患者さんはがんの既往があり、末期に近い状態の方でした。
痛みを和らげる治療を中心に行い、患者さんのADL(日常生活動作)も下がっていく中で、患者さんとご家族がオンライン上でお話しできるようにとWEB面会も実施しました。
がん以外の症状にも対応しながら治療を続け、患者さんは施設へと退院されました。
小黒医師は、心に残った理由として「まだはっきりと意思疎通が図れる段階で、ご家族に面会を勧める判断が出来た」「がん終末期のADL低下の速さを目の当たりにした」「本人・家族への予後説明を初めてやらせていただいた」と話されました。
この患者さんから学んだこととしては、「単に終末期の意向だけを聞いても意味がない。今がどういう状態で、今後どういうことが予想されうるのかを伝えることが大切」
「高齢者、特に基礎疾患のある方では急にADLが悪くなることがある。それを想定し、アドバンスケアプランニング※1を適宜行ったり、ご家族での話し合いを促したりすることが重要」を挙げていました。
千葉健生病院での研修では、地域の方への物資支援活動にも参加された小黒医師。物腰の柔らかい対応で患者さんや地域の方からも信頼されていました。
千葉健生病院での3か月間にわたる研修お疲れ様でした!
※1 ACP(Advance Care Planning)とは、将来の変化に備え、将来の医療及びケアについて、 本人を主体に、そのご家族や近しい人、医療・ ケアチームが、繰り返し話し合いを行い、本人による意思決定を支援するプロセスのことです。(日本医師会ホームページより引用)