ある研修が取り上げた患者さんは、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)から入院となりました。肺炎に対する急性期治療は落ち着きましたが、側臥位で食事を摂らないと誤嚥性肺炎を繰り返すおそれがあります。また、認知症と視力低下が進み、現在行えているインスリンの自己注射も困難が予想される病状です。
現時点では、「地域包括ケア病棟に転棟し退院先を検討していますが「側臥位での食事や1型糖尿病の管理が難しい施設も多く、施設退院に向けまだまだ困難ある」との報告でした。
指導医からは、「患者さん本人・ご家族・主治医・スタッフそれぞれの意向を確認して。退院に向け意思統一する必要がある」「今後、患者さんやご家族の意向と病状など大きな乖離がある場合は、実際に臨床倫理四分割法なども使用してみましょう」とアドバイスがありました。
担当した研修医は「入院期間を短縮しなければならない急性期病棟では、嚥下評価までは難しく、誤嚥性肺炎再発のリスクが高いと思う。」「嚥下評価までしっかりして、再発のリスクを減らし、その方にあった退院先が検討できる地域包括ケア病棟の大切を実感しました。」また「病棟が変わっても急性期から慢性期まで一人の患者さんに関わることができるので、実践的な力が付く研修が出来ていると思う。」との感想です。
その他にも「アルコール関連障害の対応」「せん妄の対応」など、様々な悩みが共有されました。色々な困難を抱えた患者さんを一人の主治医として寄り添う導入期研修はこれからも続いていきます。
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